いじめ問題 その1
いじめ問題 その2


学校でのいじめが陰湿化していると言われだして久しいのですが、 お父さん、お母さん世代の方々は口をそろえて「昔はこんな陰湿な いじめはなかった」と言う。では、陰湿ないじめとは一体どんなも のなのだろう?例えばクラス全員からシカトされる・トイレや校舎 裏などへ連れ込まれて暴行される・お弁当のごはんに絵の具をつけ られ食べろと強要される・無茶な理由をつけられお金をとられる・ 大勢の前で裸にされて嘲笑されるなど・・。さらに先にあげた全て のいじめの背後にネットでのいじめと情報共有という問題がありま す。クラスだけでなく、学校全体、また学校の外でもいじめは続き、 さらに関係ない子まで巻き込んでの悪口の連鎖があります。

いじめ を受けている子は学校にいるすべての子がいじめに参加しているの ではないかと疑心暗鬼に陥って精神状態が不安定になる場合も報告 されています。 またいじめを先生に相談してもしっかりと対応してくれる先生が少 ないことも問題を大きくしています。対応を誤ると「チクった」と いじめがさらに酷くなります。学校は閉鎖された社会なのです。い じめられる子は逃げ場がなくなってしまい、自分を追い込みます。 また、いじめられていることが「恥ずかしい」「みっともない」と 思い、親へも正直に話せずに孤立していくのです。 大人でもこのような心理状態に追い込まれると正常な判断ができな くなります。これが自殺へと追い込まれる子の心情の一端なのです。 逆に親へ暴力を振るうという行動にでる子や何も言わず引きこもっ たりすることもあります。わずか数年の学校生活が人生すべてと思 い込み、自らを追い込みます。

しかし、いじめが陰湿化した原因はどこにあるのでしょうか?子ど も社会がおかしくなったという考えは短絡すぎはしないでしょうか? 大人社会でも同じではないですか? 会社でのいじめ、ご近所間でのいじめ、皆様の周りでおこってはい ないでしょうか?しかも子ども達を陰湿といえないほど陰湿ないじ めは起こっていませんか?

LOVE&PEACEに相談される方々は子ども達 だけではありません。社会人も多く相談されてきます。その相談内 容は陰湿ないじめであったり、暴力なども多くあるのです。つい先 日も恋人からの暴力を受けていた女性を保護したばかりです。その 男性の精神状態は陰湿ないじめを行う子ども達と同じ性質のもので した。今やいじめ問題は子ども達の問題ではなく、大人社会も含め た日本全体の問題であると思えます。 少し前の亀田問題や様々な偽装問題でも記者会見に臨む亀田選手や 偽装の社長連中、その他問題を起こした人たちを責める記者の質問 は正義を振りかざし、執拗に敗者を追い込むがごとく醜いものを感 じました。同列に語ることはできないでしょうが、その精神状態は 通ずるものがあると思っています。いじめる者は自分の行動を正当 化し、いじめられる者はちょっとしたことを抉られ、執拗に責めら れる。日本人特有の集団心理とドSな性質が特徴で、この状態が続 くとトランス状態に陥り歯止めがきかなくなるようです。



では、いじめられている子がその状態を脱し、普通に学校生活を送れるようになるにはどうすればいいでしょうか?

残念ながら、今の環境では特効薬というものは見当たりません。先生方も親御さんもピンキリで携わる方の言動や行動によって大きく左右されてしまうのが現状です。一番負担を少なくしていくにはやはり環境を変えることだと思います。中高生であれば転校して、その際にカウンセラーの先生に状況を把握していただき、しばらく注視してもらうことが大切だと思います。これまで多くの子ども達と関わってきましたが、いじめを受けた子達は自信を失っています。
どうせ自分なんてと自虐的な思考に陥っていることが多くあります。

人間誰しも最初から何でもできるわけはなく、階段を一段一段登るように努力を重ねていくことで実績を生み出し、やがて自信につながっていくのです。勉強しかり、スポーツしかりです。ただ、今の子ども達は持久力に欠けている部分があります。親御さんは自分の子どもなのですから、放置しないでコミュニケーションをしっかりとって、子どもがしっかり歩けるようにサポートしていただきたいと思います。

残念なことにLOVE&PEACEで携わった人の中には30歳をすぎてもなお、いじめのトラウマから脱却することができず、異性とも付き合うことができず、仕事も長続きしないような人達もいます。子どものうちはいくらでも修正がきき、立ち直って立派な社会人になることも可能ですが、いじめのトラウマを引きずったまま年を重ねると修正がきかなくなります。困ったことにこういう人の親は会社の重役や地域の名士など立派な方が多く、経済的に豊かなので甘やかせ
てしまって本人が努力をしないという特徴があります。

亀田大毅選手を下し王座防衛を果たしたボクシングの世界王者・内藤大助選手はいじめに負けない自分になりたいとボクシングを始めたという話は有名になりましたが、結局最後は自分自身が「変わりたい」と強く思うことなのです

いじめを受けている子はその時点では自分の居場所がないのです。そして一人悩んで自ら命を絶つ子も後を絶ちません。教師や親たち大人の仕事はそんな子たちに居場所を作ってあげることなのです。そしてしっかりと守ってあげるよという意思表示をし、子ども達が自ら立ち上がり、歩いていく姿を見ていてあげることなのです。何でもかんでも言うことをきくというのはただの甘やかしで何のプラスにもなりません。

時間はかかります。お金もかかります。しかし、諦めずに一歩一歩少しづつでも歩き出せば新しい世界が必ず見えてきます。その一点の光の存在を示してあげることで子ども達はがんばるのです。今の子ども達は大人に絶望していることも多くあります。自分が大人になっても辛いことばかりじゃ希望が持てないじゃないですか。

大人が夢を持ってイキイキと頑張る姿を見せてあげて、子ども達に将来への希望の光を見せてあげれるような社会にしていきたいですね。

(特活)LOVE&PEACE
代表理事 阪上義昭

このコラムは「ピースジャーナル」2007年12月号
2008年1月号に掲載されたものです。

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