ドメスティックバイオレンス

「ドメスティックバイオレンス」

DV=配偶者、恋人から受ける暴力。

最近よく話題に登るテーマですが、一般的に認知されているDVのほかにも、言葉によるDVや精神的DV、性的なDVの被害が増えているようです。一昔前でしたら、女性が我慢するべき、そのくらい当たり前、子どものために頑張りなさい・・などと言われていた問題ですが、近年は行政や民間でも女性をサポートする部局や団体が多くなり、家庭の中での問題とされていたDVもその実態が明らかになってきた部分が多くあります。

LOVE&PEACEへの相談もここ数年多くなってきましたし、離婚や別れさせたケースも数多くあります。見るからに暴力を受けて傷を負っている方から精神的な苦痛から心療内科を受診されている方まで、色んなケースがありました。

またこのコラムでも書いたことのあるケースでは同居している恋人の暴力に支配されて逃げ出すこともかなわなかったケースもあります。このケースではほとんどの場合が恐怖から逃げ出せなくなるという形が多いのですが、一部では死に直面するほどの恐怖体験をすると逆に脳が暴力を振るうものを愛することでその恐怖をやわらげようとしてしまい、その男性のもとから離れなくなってしまうといったケースまであるようです。

昭和の時代はお父さんが酒を飲んで暴れて・・なんていう話をよく聞きましたが、現代はそれに耐えなければいけない時代ではありません。たまのケンカならいざ知らず、もし暴力を振るわれるようなことがあれば、警察やDVの相談を受けている窓口に相談をしてください。

手当ては早いほうがいいです。取り返しのつかない問題に発展する前に、第三者に実情を把握してもらっておくことも大事なことです。

LOVE&PEACEではじめてDVの相談を受けた事例は、結婚5年目くらいの主婦からのものでした。何事もなく過ごしていた夫が突然豹変して暴力を振るうようになったというものでした。このケースは比較的いい方向に収まりました。ご主人はそこそこ有名な企業に勤めるサラリーマンで、子どもも二人授かり、奥さんは子育てに大変な時期でした。

ある時から、何気ない会話をしていたのに突然ご主人がキレ出して、殴られるということが続いたそうです。この時ははじめてのDV相談だったこともあって、ご主人に直接会いに行きました。今はこの時点で会いに行くことはないのですが・・幸いこのご主人は本来まじめな方で、ご自身も自分の行為について後悔されていたので、ふたりでいい方向に向かうようにすることができましたが、軽率にご主人さんや彼氏にに会ったりすると逆に暴力行為がエスカレートすることもあるので注意が必要です。

このご主人、仕事である程度の責任を任され、プレッシャーに負けそうになっていたときに、家で奥さんに能天気な話をされ、一度キレて暴力を振るった後、奥さんの天真爛漫さが彼にとってはイライラを募らせるだけで、ついつい手を出してしまうのでした。

ご夫婦そろってお話をさせてもらったところ、ご主人も反省され、今は問題もなく順調に過ごされているようです。

しかし、このようなケースはとてもまれなことです。ほとんどの場合は二度と会わせることができないケースなのです。




猟奇的な性癖・・一般の方には意味がわからない方もいらっしゃると思いますが、性行為の時に異常なまでの暴力的行為に走る人がいます。俗にSM趣味のご夫婦やカップルも多くいますが、その度を越えて猟奇的な行為に走ってしまい、徐々に恐怖心が高まり体だけでなく、心に傷を負うケースがありました。

A子さんはこれまでそんな趣味に関心を持ったこともなく、普通に何人かの男性と付き合った経験がある普通の女性でした。友人の紹介で知り合った男性と付き合いだし、当初は普通のお付き合いをしていたのですが、数ヶ月たった頃に、自分はこういう趣味があるんだと告白され、最初は軽く縛られたり、目隠しをされたりと、半分楽しみながら、また演技をしながらといった感じだったそうです。

しかし、回数を重ねるうちに彼の要求がエスカレートしていき、身動きが全然できない状態にされて殴られたり、お湯を張った浴槽の中に何度も沈められて死にそうになったりしていったのです。恐怖を覚えたA子さんは彼氏に怖いのでやめてほしいと哀願しましたが、彼はそれを理由に暴力を振るうようになりました。

彼氏はplayの一環だという思いなのでしょうが、そういう趣味も元々なかった女性に行為を強要することが、女性にどういう心理的負担をかけていくかを考えることはないでしょう。

男性と女性は元々の力の差があります。男性の力で押さえつけられて敵う女性はそれほどいるわけもありません。Playなのであれば、お互いの同意があってしかるべきだと普通は思うのですが、自己中心的な考えの人が増えていることもあって、このあたりのコミュニケーションをとることができないようです。またこのコラムで述べたこともあると思いますが、素人のSっ気の強い人は歯止めが利かないことが多くあります。お互いが分かり合った上でplayに走るのは自由ですが、一方的な性欲の暴走は危険が伴います。

 


このカップルはすぐに別れることができました。彼氏は彼女にはSMのパートナーとしての意識しかなく、彼女も恐怖心が芽生えてからは彼に対する愛情は失せていましたので別れるのに難しいことはありませんでした。

特に男性に多いのですが、アダルトビデオの普及でSMだのレイプだのといったものがどれほど女性の心を傷つけるものなのかを理解できない人がいます。余談ですが、女性経験の少ない男性の性行為はとにかくヤリたい一心で突っ走ってしまう場合が多いようです。

女性はどちらかと言うと行為そのもので快楽を得るというよりは心の充足がパートナーの男性に対し愛しいという感情を増幅させて、そこに愛の行為が加わることで登りつめるというものだそうです。

男性の中に、女性の存在自体を尊重するという習性もなく自己中心的に自分の欲求のはけ口にしか見ない人がいるということはとても情けないことです。すべての男性に女性の心を慮ってお付き合いをしていただきたいと願ってやみません。




ここ最近増えてきているのが直接の暴力ではなく、言葉や精神的な暴力で傷つく人たちが増えているという現象です。

これはほんとに立証も難しく、また受けて側(被害者)の捕らえ方もそれぞれですから一概にこういうのがDVということができず、難しい問題なのです。

たとえば、一昨年に離婚した夫婦の場合。

夫はある企業の役員で、収入もそこそこ多く、妻は結婚してから外に働きにでることもなく、専業主婦をしていました。夫はとにかくプライドが高く、会社で部下に指示をするような感覚で、妻に対しても細かいことをいちいち追求してしまうような口調で話す人でした。

また、この夫は古いしきたりを尊ぶ家柄の長男で、両親からも甘やかされ、自分自身は完璧だと思い込んでるような人物です。そして両親も嫁に対して「夫を立てろ」「夫が仕事をしやすいようにするのが妻の仕事」と何かにつけ小言を言っていました。

たとえば夫に対して、提案やアドバイスをしようものなら、「お前は能力がない」「俺の言うとおりにしていれば幸せになれる」とすべてを否定され続けていたのです。そして「家族が生活をしていけるのは俺のおかげ」と今時珍しい考えで妻や子に絶対服従をさせていたのです。

最初はずっと耐えていた妻ですが、それも長年続くと「私は能力がない」「何もできない女」というふうにすべての事柄を自分自身の至らなさというふうに思い込むようになり、極度の鬱状態に陥ってしまったのです。

心療内科に通い、薬を常用するようになった妻はついには夫が帰ってくるのを怖がるようになり、夫が帰ってきてドアを開ける音がするだけで精神的に不安定になるようになってしまったのです。

その後、子どもを連れて別居し、離婚を要求しました。夫はいつも通りに家に帰ると荷物の大半がなくなり、いきなり離婚を要求されたので驚いていました。

結局1年以上にわたって調停を行い、慰謝料と養育費などを支払うことで、妻は晴れて自由の身になることができたのです。

このように、男性側はまったく自覚がないのが言葉のDVの特徴です。自分本位の発言が相手を傷つけていることがあることをすべての男性は心しておかないと大変なことになることがあります。

このケースは言葉の暴力という位置づけになりますが、言葉を発しない場合でも相手に圧迫感を与えてしまい傷つけることなどもあるので注意が必要です。

強い立場や上位にある者は、弱い立場や下位にある人に対して思いやりと暖かい心で接することが大事だということを理解していただきたいと思います。

特に女性、子どもは男性、大人に対して言いたいことも言えない立場に置かれることがよくありますので、そのあたりをよく考えて発言、行動を起こしていただくことが大事です。


(特活)LOVE&PEACE
代表理事 阪上義昭

 

 

このページの上へ戻る


運営:特定非営利活動法人LOVE&PEACE 事務局
Copyright (C) 2001 Love&Peace Festival Executive Committee. All Rights Reserved.